東洋医学という選択肢

「治癒(治して癒やす)」という言葉があります。私は、この言葉のうち、「治」の方が西洋医学で、「癒」の方が東洋医学だと考えています。西洋医学は、「病気を取りのぞく」という考え方を取るので、例えばウイルス性の病気の治療には大変に有効です。一方、東洋医学の方は、「自然治癒力を高める」という考えを取るので、慢性疾患などに有効です。どちらが良いということもなく、役割分担が違うというだけの話です。両方をバランス良く取り入れることが大事だと思います。

人間の皮膚が切れたときのことを考えてみましょう。傷口を縫い合わせるのは医師です。でも皮膚がくっつくのは人体の自然治癒力のおかげです。ちなみに糖尿病の人は、縫った後の皮膚のくっつきが遅くなります。自然治癒力の大事さがわかる話です。

「病気を治す」ことだけに注目していると、病気(または病原菌)はなくなったけれど、動物本体がすっかり弱ってしまったということにもなりかねません。それでは本末転倒です。

モモの乳腺腫瘍は、それだけを見れば「腫瘍」なので、ただちに切除するべきだという考え方もあるでしょう。でも、そんなことをして、モモが弱ってしまったら意味もありません。私としては、「腫瘍を取る(病気を治す)」ことよりも、「モモと藤さんご夫妻が幸せに暮らせること」の方が大事だと考えているのです。

とはいえ、何でもかんでも「自然治癒」に頼るのも不適切です。ウイルス性の病気で高熱が出ているような時に、自然治癒がどうのと悠長なことを言ってはいけません。まずは熱を下げるべき、抗生物質を打つべきであるといえます。

ですが、モモは病気ではありません。単に一生の終わりが近づいているだけのことです。今のモモには東洋医学が適していると思います。モモには健康維持のための施策をいろいろ施しています。 続きはこちらから

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