柴犬さんの「認知症」知ることから始めませんか?

獣医師監修

「あれ?もしかして・・・」と思ったら・・・柴犬の”認知症”について考えてみましょう!

何となく寝ていることが多いのは、年のせい?
以前に比べて好きな遊びをしなくなった?
耳が遠くなった?
臭いにも鈍感になった?
去年はこんな感じではなかったかも・・・。

柴犬さんは、ヒトと違ってシワや白髪が増えたり、杖をついたりしませんよね。
目の前にいる姿は、あの日のかわいいまま・・・
初めてお家に来てから、毎日ずっと一緒に過ごしてきた柴犬さん。
年齢を確認して、あらためて「ああ、この子も年を取ったのね。」
と感慨深く、また、切なくなる飼い主さまも少なくはありません。
特に、和犬の中でも柴犬は認知症の好発品種で、ネット等で調べるとネガティブなことばかり・・・。
いずれは来る老化現象ですが、まずは、知ることから始めませんか。

認知症のサイン

□歩き方がいつもと違う。
□寝てばかり
□呼んでも来ない
□無関心・無表情
□粗相が多くなった
□昼夜逆転気味
□方向が分からなくなる
□なんでもない時間に鳴き続ける
□物事に集中できない
□ぼーっと宙を見上げる・見つめる

柴犬さんの認知症は、飼い主さまからの情報と柴犬さんの状態、スコア項目から診断します。
初期の段階では老化現象として現れていることがあり、またヒトと違いメンタル面での判断ができないため診断が難しくなることもあります。
チェックリストで思い当たるサインはありましたか?

些細なことでも気になることは、かかりつけ医に相談されてみてください。

相談できる人がいますか?

柴犬さんのお世話、特に認知症や介護は、女性である「お母さん」に負担がかかります。
「お母さん」は、家族のためにひとりですべてを背負ってしまいがちです。

柴犬さんが初めてお家に来たとき、家族で話し合いませんでしたか?

喜びも悲しみも分かちあう人がいることは、安心感に繋がります。

一人だけで背負うのではなく、ご家族皆様で話し合いご協力し合ってください。

かかりつけ医を頼りましょう

家族以外で、相談できる人はいますか?

「夜鳴き」が続く・・・
「床ずれ」が心配・・・
お世話をする飼い主さまも寝不足になり、精神的にも肉体的にも疲労がたまってしまいがちです。
飼い主さまご自身の生活にも支障をきたすことになりかねません。

認知症かな・・・と思ったら、かかりつけ医にご相談されてください。


動物病院でできるケア

①医薬品 
抗不安薬・・・夜鳴きがあるとき

②サプリメント
 ここ数年で、多くの病院が治療にサプリメントを取り入れるようになっています。
・免疫のサポート
・血流改善

③鍼灸
 東洋医学を取り入れている病院が増えています。
 また、ペットの鍼灸専門の病院もあります。
・認知症の進行を抑える
・血流改善
・アンチエイジング

認知症の予防

毎日のコミュニケーションとスキンシップ!
これに勝るものはないと思っています。

・柴犬さんの好きな食べ物分かりますか?
・うんちやおしっこの回数や量は?
・どこをなでられるのが好きですか?
・なでられるとどんなお顔していますか?
・毛並みはどうですか?

いっぱいスキンシップ!
大好きだよ!
そばにいるよ!
飼い主さまの気持ちをたくさん伝えてあげてくださいね。

そして、お日様を浴びたり、歩いたり、遊んだりしましょう!

日中お日様を浴びて、お外を歩かせてあげてください。
短い時間でも身体を動かしてふれ合うことで脳が刺激されます。
昼夜逆転が緩和されるので、夜眠りやすくなることが期待できます。

介護が楽しい

認知症のケアは、本やインターネット情報はあくまでも一般的のものです。

実際の対応は、その子の状態に合わせてのものになります。

介護となると切なくもなりますが、年老いてからの楽しみや変化というものもあります。

気性が荒い柴犬さんが、穏やかになり甘えてきたり・・・

洋服を着ることを嫌がっていたのに、シニアになってから着せてくれるようになったり・・・

柴犬さんの変化が可愛く、愛おしくなることもあります。

ご家族の歴史の十数年を柴犬さんと一緒に過ごします。

お互いに、どれだけ良い時間を送れるのかは柴犬さんの数だけ物語があります。
柴犬さんの一つひとつの出来事に、寄り添っていくことができればと思います。

認知症、介護のその先・・・

人間も動物も避けて通れない、『老いること』『病気になること』そして『お別れ』。

日常の診療でも、最近ではペットの高齢化で、認知症の相談や介護についての相談が増えて来ています。

動物は人間の様に白髪やシミやシワがあまり目立たないので、その年齢が思いの外高齢となっていることに気づきづらいのかもしれません。

が、明らかにその寿命は人間より短いです。

「そう言えば、最近耳が遠くなったかも。」「目が白く濁って来た。」「歩幅が小さくなった。」「よく寝ていることが多い。」と気づくことがあるかもしれませんね。

突きつけられたリアルに、戸惑いショックを受けられる飼い主さまも少なくはありません。

オムツを着けることに抵抗感を感じる飼い主さまもいらっしゃいます。

『オムツ=介護・寝たきり=大変』と捉えられて、ネガティブになってしまうわけです。

ペットの介護グッズも最近はよく見ますが、その子が生活しやすい様にカスタマイズしたり、工夫することは必要です。

介護は重く囚われがちですが、動物たちは飼い主さまに全て委ねられます。

変わりゆく状態を受け入れつつ、老犬なりの可愛さと愛しさを大切にしていただきたいと思います。

出来ることなら、最期まで楽しく。「オムツ姿もウチの子可愛い!!」と。

改めて「この子がいてくれてよかった。」と、ともに過ごした時間は、人生に彩りを加えてくれたと感謝の気持ちでいっぱいになることと思います。

老化現象には抗えません。

そしてやがてその先に『お別れ』がありますが、それまでに考えさせられる時間を、ともに傍にいる時間を大切に過ごしていただきたいと思います。

犬と私の交換日記

最後におすすめの本を紹介させていただきます。

柴犬さんがお家に来てから、たった一つの物語が始まりました。

最後の日を考えるようになったのはいつらですか。

「動物医療グリーフケア」の第一人者であり、獣医師の阿部美奈子氏の本を紹介させていただきます。

・これから犬を迎える人も

・いま一緒に暮らしている人も

・すでにお別れをしてしまった人も

動物を愛するすべの人に動物医療グリーフケアを知ってほしい!

著者である阿部美奈子氏の50の質問に答え、書き込むカタチの本です。

質問に対し、一つひとつ思い出し書いていくうちにワンちゃんと過ごした当時の時間がよみがえり、愛おしく懐かしく感じられることができ、ご自身とワンちゃんだけの、世界に1冊しかないものになります。

柴犬さんの老化現象により抱える不安は、愛情があるがゆえの不安です。

あらためて、わが子(柴犬さん)の魅力を再確認し、絆が深まるのではないでしょうか。

悲しみや苛立ち、不安な気持ちは、柴犬さんへの愛情があるからこその気持ちです。

かけがえのないない時間を、どうか大切にしてください。

そして、一人で背負わず、家族やかかりつけ医を頼ってください。

ふぅ動物病院 院長鈴木章子すずき しょうこ先生
麻布大学 獣医学部 獣医学科卒業
従来医療による予防・治療に加え、ホモトキシコロジー、鍼灸、オゾン療法、食事指導、パッチフラワーレメディー、ホメオパシーなどトータルサポートで動物の健康を見守っています。

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